中京エリアの大東建託オーナーの情報紙「中京かわら版」9月号に
賃貸住宅メーカーのランキングの記事が掲載されました。
とのことです。
このランキングは「2020年度(4月から2021年3月)の完成戸数について全国の建設会社にアンケート調査を行い、回答があった115社の申告をもとに作成したもの」です。
このランキングは、年間完工高、年間完工数をもとに順位を決定しています。
中京かわら版によると
2020年度、大手各社のデータは次の通りでした。
空欄はデータなし
※ サンプリング調査で1棟あたりの戸数を算出の上、戸数に換算した
建設会社からのアンケートをもとに作成しただけなので
売上を記載しないメーカーや棟数を記載しないメーカーもあるようです。
そして
ダイワハウスが掲載されていません。
アンケートに答えなかったのですね・・
これでは、片手落ちのランキングです。
大東建託 リヴァーサK
大東建託HPより転載
積水ハウス ベレオ
積水ハウス HPより転載
(1棟あたりの戸数)
1棟あたりの戸数を計算してみましょう。
大東建託は38329戸➗4731棟=8.1戸/棟
同様に
積水ハウスは、8.4戸
東建コーポは、8.3戸
だいたい同じくらいです。
アパートといえば、4戸、6戸、8戸が多い印象です。
なので
1棟あたりの戸数は6戸くらいかと思ってました。
しかし、実際は8戸超と多いですね!!
ちょっと私のイメージが古すぎたようです・
賃貸住宅ということなので
アパートだけでなくて、大型マンションも含まれていますから
多くて当然でした。
ただ、アパートそのものも大型化しているようです。
大東は2x4でも3階建を増やしていますし
積水も重量鉄骨では3階、4階です。
それぞれ、RC造のマンションも造っています。
東建は3階建というイメージは少ないのですが
平均8戸超ということは、やはり、マンションも相当数造っているようです。
最近では
各社ともに都市型の3階建以上商品ラインアップを強化しています。
まあ、
同じ土地であれば
2階建よりも3階、4階にすれば、売上が上がりますからね。
できるだけ、容積率いっぱいに建物を作って、売上をあげたいというのが本音です。
とはいえ、駐車場設置数などが不足して、不人気物件を作れば、評判が落ちます。
そのバランスを取っています。
(1戸あたりの建設費)
次に1戸あたりの建設費を計算してみます。
1kと2LDKでは建設費は違いますので
比較することには、あんまり意味はありません。
大東建託は、4227億円➗38329戸=1103万円
積水は、1579万円
東建は、1124万円
旭化成(ヘーベルハウス)は、1518万円
こんな感じでした。
大東、東建の専業メーカーは1100万円台
積水、旭化成などのハウスメーカーは1500万円台と
きれいにわかれました。
最初に書いたように
高い分、面積が広いかもしれないので、比べることにはあまり意味はありません。
東建コーポレーション シェルル・スターテラス
東建コーポレーションHPより転載
このランキングを見て思うことは次の通りです。
(ダイワハウスの売上は?)
ダイワハウスは積水と並び大手です。
しかし、掲載されていませんでした。
どれくらいの売上があるのか、気になりますね。
ダイワハウスは上場してますから、決算書を見ることが可能です。
ちょっと調べてみましょう。
ダイワハウス2021年3月期決算概要
https://www.daiwahouse.com/about/release/house/pdf/FY2020.pdf
決算概要の7ページに
賃貸住宅セグメント売上は、9827億円と書いてあります。
売上規模では、ダイワハウスが圧倒していますね。
と、思いましたがもう少し見て行くと、22ページに詳細がありました。
これによると
請負・分譲が3969億円
賃貸・管理が5697億円
開発物件売却が161億円
となっていました。
賃貸住宅セグメントの売上は9828億円でしたが
それは、管理や賃貸料を含んだ数字で
完工高(売上)は、3969億円でした。
ダイワハウスは、自社で賃貸マンションを作って所有して
中古で売ったりもしています。
車のディーラーで言うところの、新古車みたいな感じですね。
これは、余談でした。
大和ハウスの売上もでいたので
もう一度ランキングを見てみると、、、
大東 4227億円
積水 4067億円
大和 3969億円
三つ巴でした。
やはり
この3社が3強ということになりそうです。
大和ハウス
大和ハウスHPより転載
(その他メーカーの健闘)
旭化成やPana Home(現在はパナソニックホーム)が意外と検討していますね。
名古屋地区では、まだまだ少数派という印象があります。
旭化成 プラネックス3
旭化成HPより転載
パナソニックホーム ビューノ
パナソニックホームHPより転載
全国展開する大手以外でもそれなりに頑張っている企業もまだまだあります。
大手は小規模メーカーに比べて有利なことはいくつかあります。
(スケールメリット)
建設資材の調達には強いのは確かですが
そのメリットを顧客に還元するか、自社の利益にするかは企業次第です。
大手は全国の良い立地に事務所を持っており、維持経費も高くなりますから
顧客に還元される部分は少ないと思います。
薄利で建設する地場建築業社のほうが、一般的に施工費は安いでしょう。
(倒産リスク)
建築中に倒産というのが、施主として一番避けたいリスクです。
大手であれば、倒産前に他社と合併するなどして、存続していくでしょう。
また、大手は管理戸数も多く受注件数によらない売上もあります。
(品質)
大手であれば、一定の品質を保持しています。
スーっと出てきて、パーっと消える業者は、別として
ビジネスを長く続けるには、それなりの品質を維持する必要がありますし
失敗の共有と改善の積み重ねができます。
(商品企画力)
商品企画の専門のスタッフをおけるので、一定レベルの商品企画力があります。
こだわりをもった建築家のような「個性的な方向性」ではなく
一般最大公約数の少し先を行くというイメージです。
ハウスメーカーでは注文住宅のトレンドをいち早く取り入れることができるかもしれません。
しかし、多くの企業は縦割りなので、あまり期待しないほうが良いと思います。
超個性的なアパートやマンションを建てたいのであれば
大手よりも建築事務所がベターでしょう。
それか自分で考えるしかありません。
ただし、アパートの個性を入居者に伝えるのは難しいものです。
SUUMOなどの媒体を使って客付けする場合では、
こだわりが伝わらないかもしれません。
その点、大手であれば、大手のアパート検索サイトでの条件を網羅した物件を提案してくれるでしょう。
(CM、販促)
大企業であれば、広告にお金をかけることができます。
ただし、施主を見つけるためにお金を使っているケースが多く
その費用は建設費に上乗せされていると考えるべきでしょう。
入居者にアピールしてくれるのであれば、施主としてもメリットがありますが。
このように考えると、大手で建築するメリットは
大手で家賃保証がつけば、融資が通りやすいというメリットもあります。
不動産投資はミドルリスクミドルリターンです。
ハイリターンを目指すのであれば、
「地場の業者でデザイナーズマンションを安く建てて、高い家賃を取る 」
ということになります。
その代わり、倒産リスクや品質リスクが高くなってしまいます。
建築中にトラブルなどが発生する可能性も高いし、
納期遅れや、期中で追加工事が発生したりこともあるでしょう。
つまり、ハイリスクになってしまいます。
家賃に対して高い建設費であれば、品質にかかわらずハイリスクです。
「大手だから安心」ではありません。
やはり、リスクを見える化して、
納得して契約しなければ、後悔することにもなりかねませんね。
施主さんには
「とにかく安く作ってくれる業者はどこだろう?」
というタイプと
「安普請はダメ、大手じゃないと・・」
というタイプにけっこう分かれます。
このあたりは、性格というか信条というものが出ますね。
セキスイハイム
セキスイハイムHPより転載
以上、賃貸住宅のランキングと、大手メーカーのメリットの記事でした。
賃貸住宅メーカーのランキングの記事が掲載されました。
【大東建託 中京かわら版9月号によると】
週間全国賃貸住宅新聞で発表された「賃貸住宅に強い建設会社ランキング」の大手ハウスメーカー部門において、大東建託は第1位を獲得しました。
とのことです。
このランキングは「2020年度(4月から2021年3月)の完成戸数について全国の建設会社にアンケート調査を行い、回答があった115社の申告をもとに作成したもの」です。
このランキングは、年間完工高、年間完工数をもとに順位を決定しています。
【大手アパートメーカーの2020年度、売上ランキング】
中京かわら版によると
2020年度、大手各社のデータは次の通りでした。
順位:社名:完工数(棟数、戸数):完工高(億円以下切り捨て)
1位 大東建託 4731棟 38329戸 4227億円
2位 積水ハウス 3069棟 25905戸 4067億円
3位 東建コーポ 1263棟 10576戸 1189億円
4位 旭化成ホームズ 7114戸 1080億円
5位 パナソニックホームズ 5619戸
6位 積水化学工業 600棟 2560戸(※)
空欄はデータなし
※ サンプリング調査で1棟あたりの戸数を算出の上、戸数に換算した
建設会社からのアンケートをもとに作成しただけなので
売上を記載しないメーカーや棟数を記載しないメーカーもあるようです。
そして
ダイワハウスが掲載されていません。
アンケートに答えなかったのですね・・
これでは、片手落ちのランキングです。
大東建託 リヴァーサK
大東建託HPより転載
積水ハウス ベレオ
積水ハウス HPより転載
【このランキングから分かること】
(1棟あたりの戸数)
1棟あたりの戸数を計算してみましょう。
大東建託は38329戸➗4731棟=8.1戸/棟
同様に
積水ハウスは、8.4戸
東建コーポは、8.3戸
だいたい同じくらいです。
アパートといえば、4戸、6戸、8戸が多い印象です。
なので
1棟あたりの戸数は6戸くらいかと思ってました。
しかし、実際は8戸超と多いですね!!
ちょっと私のイメージが古すぎたようです・
賃貸住宅ということなので
アパートだけでなくて、大型マンションも含まれていますから
多くて当然でした。
ただ、アパートそのものも大型化しているようです。
大東は2x4でも3階建を増やしていますし
積水も重量鉄骨では3階、4階です。
それぞれ、RC造のマンションも造っています。
東建は3階建というイメージは少ないのですが
平均8戸超ということは、やはり、マンションも相当数造っているようです。
最近では
各社ともに都市型の3階建以上商品ラインアップを強化しています。
まあ、
同じ土地であれば
2階建よりも3階、4階にすれば、売上が上がりますからね。
できるだけ、容積率いっぱいに建物を作って、売上をあげたいというのが本音です。
とはいえ、駐車場設置数などが不足して、不人気物件を作れば、評判が落ちます。
そのバランスを取っています。
(1戸あたりの建設費)
次に1戸あたりの建設費を計算してみます。
1kと2LDKでは建設費は違いますので
比較することには、あんまり意味はありません。
大東建託は、4227億円➗38329戸=1103万円
積水は、1579万円
東建は、1124万円
旭化成(ヘーベルハウス)は、1518万円
こんな感じでした。
大東、東建の専業メーカーは1100万円台
積水、旭化成などのハウスメーカーは1500万円台と
きれいにわかれました。
最初に書いたように
高い分、面積が広いかもしれないので、比べることにはあまり意味はありません。
東建コーポレーション シェルル・スターテラス
東建コーポレーションHPより転載
【このランキングから思うこと】
このランキングを見て思うことは次の通りです。
- ダイワハウスのデータがない
- ヘーベルハウスやパナホームが思ったより売れている
(ダイワハウスの売上は?)
ダイワハウスは積水と並び大手です。
しかし、掲載されていませんでした。
どれくらいの売上があるのか、気になりますね。
ダイワハウスは上場してますから、決算書を見ることが可能です。
ちょっと調べてみましょう。
ダイワハウス2021年3月期決算概要
https://www.daiwahouse.com/about/release/house/pdf/FY2020.pdf
決算概要の7ページに
賃貸住宅セグメント売上は、9827億円と書いてあります。
売上規模では、ダイワハウスが圧倒していますね。
と、思いましたがもう少し見て行くと、22ページに詳細がありました。
これによると
請負・分譲が3969億円
賃貸・管理が5697億円
開発物件売却が161億円
となっていました。
賃貸住宅セグメントの売上は9828億円でしたが
それは、管理や賃貸料を含んだ数字で
完工高(売上)は、3969億円でした。
ダイワハウスは、自社で賃貸マンションを作って所有して
中古で売ったりもしています。
車のディーラーで言うところの、新古車みたいな感じですね。
これは、余談でした。
大和ハウスの売上もでいたので
もう一度ランキングを見てみると、、、
大東 4227億円
積水 4067億円
大和 3969億円
三つ巴でした。
やはり
この3社が3強ということになりそうです。
大和ハウス
大和ハウスHPより転載
(その他メーカーの健闘)
旭化成やPana Home(現在はパナソニックホーム)が意外と検討していますね。
名古屋地区では、まだまだ少数派という印象があります。
旭化成 プラネックス3
旭化成HPより転載
パナソニックホーム ビューノ
パナソニックホームHPより転載
全国展開する大手以外でもそれなりに頑張っている企業もまだまだあります。
【大手が有利な点は】
大手は小規模メーカーに比べて有利なことはいくつかあります。
- スケールメリットがあるので、建設資材の調達には有利
- 倒産リスクが少ない
- 品質が安定している
- 商品提案力が高い
- 資金力がありCMや販売促進に力を入れられる
(スケールメリット)
建設資材の調達には強いのは確かですが
そのメリットを顧客に還元するか、自社の利益にするかは企業次第です。
大手は全国の良い立地に事務所を持っており、維持経費も高くなりますから
顧客に還元される部分は少ないと思います。
(倒産リスク)
建築中に倒産というのが、施主として一番避けたいリスクです。
大手であれば、倒産前に他社と合併するなどして、存続していくでしょう。
また、大手は管理戸数も多く受注件数によらない売上もあります。
(品質)
大手であれば、一定の品質を保持しています。
スーっと出てきて、パーっと消える業者は、別として
ビジネスを長く続けるには、それなりの品質を維持する必要がありますし
失敗の共有と改善の積み重ねができます。
(商品企画力)
商品企画の専門のスタッフをおけるので、一定レベルの商品企画力があります。
こだわりをもった建築家のような「個性的な方向性」ではなく
一般最大公約数の少し先を行くというイメージです。
ハウスメーカーでは注文住宅のトレンドをいち早く取り入れることができるかもしれません。
しかし、多くの企業は縦割りなので、あまり期待しないほうが良いと思います。
超個性的なアパートやマンションを建てたいのであれば
大手よりも建築事務所がベターでしょう。
それか自分で考えるしかありません。
ただし、アパートの個性を入居者に伝えるのは難しいものです。
SUUMOなどの媒体を使って客付けする場合では、
こだわりが伝わらないかもしれません。
その点、大手であれば、大手のアパート検索サイトでの条件を網羅した物件を提案してくれるでしょう。
(CM、販促)
大企業であれば、広告にお金をかけることができます。
ただし、施主を見つけるためにお金を使っているケースが多く
その費用は建設費に上乗せされていると考えるべきでしょう。
入居者にアピールしてくれるのであれば、施主としてもメリットがありますが。
このように考えると、大手で建築するメリットは
- 品質
- 商品企画力
- 倒産リスクなし
大手で家賃保証がつけば、融資が通りやすいというメリットもあります。
不動産投資はミドルリスクミドルリターンです。
ハイリターンを目指すのであれば、
「地場の業者でデザイナーズマンションを安く建てて、高い家賃を取る 」
ということになります。
その代わり、倒産リスクや品質リスクが高くなってしまいます。
建築中にトラブルなどが発生する可能性も高いし、
納期遅れや、期中で追加工事が発生したりこともあるでしょう。
つまり、ハイリスクになってしまいます。
家賃に対して高い建設費であれば、品質にかかわらずハイリスクです。
「大手だから安心」ではありません。
やはり、リスクを見える化して、
納得して契約しなければ、後悔することにもなりかねませんね。
施主さんには
「とにかく安く作ってくれる業者はどこだろう?」
というタイプと
「安普請はダメ、大手じゃないと・・」
というタイプにけっこう分かれます。
このあたりは、性格というか信条というものが出ますね。
セキスイハイム
セキスイハイムHPより転載
以上、賃貸住宅のランキングと、大手メーカーのメリットの記事でした。