実録!土地活用(新築マンション投資)

土地活用・不動産投資について、初心者の方にも参考になるような分かりやすいブログを目指しています。 業者側の情報ではなく、土地所有者、投資者の視点でリスクについても、お話しします!

2017年10月

2017年10月12日 MDIさんのショールームを見学しがてら
収益物件の商談に行ってきました。

IMG_0619
名古屋駅前のKITTEにある事務所には、モデルルームもあります。



【名古屋へ進出、初年度】



この会社は東京を中心に営業しているアパートメーカーです。
現在(2017年3月)の管理戸数は、約2万戸、入居率99%
年商は810億円 
とのことです。

上場を目指し、関西、東海に進出しています。

名古屋の事務所は、KITTEの7Fにあります。
家賃の高そうなビルに、大きな事務所。
会社の気合が伝わってきます。




【今回の商談について】



前回の商談では、およその概要を聞かせてもらっています。
地主に対する、営業もしている一方で、
土地を購入して建物を建設するということもやっているとのことでした。

とうわけで、今回は収益物件の商談です。



【一般的な土地購入によるプランの流れ】



一般的に

土地を購入して建物を建てるプロジェクトの場合、
建築業者としての手順は次のとおりです。

(1)売土地情報の収集と選択
 (多くは建築会社が土地情報を掴みます
  前に投資家が情報を得る場合もあります)
(2)建築プランの策定
(3)家賃査定
(4)事業計画作成
(5)投資家への案内
(6)借入を伴う場合は投資者への金融機関の融資審査
(7)土地購入、建築契約

という流れです。

つまり
土地を購入してアパートを立てる人の融資が確定してから初めて
投資家が土地の買い付けをします。


最近では、
(6)の銀行の審査の間に、土地が流れてしまうケースも多いようです。

もちろん、手付金を支払えば、有利に買うことができますが
もし、事業計画がイマイチだったり
融資がつかなかった場合、手付金が無駄になります。
現実的には、できないですね。

口約束のお願いというのも、ある程度可能ですが、
売る方も、早く売りたいはずです。
それで、すぐに買うというお客さんが見つかれば、そちらに流れてしまうわけです。


早く融資判断がでればよいのですが
不動産融資の締め付けもあり
審査も長引く傾向になります。









さて、この会社の特徴は
土地を購入している

ということです。




一般的には、上記の説明のように
土地の抑えで、手付金が流れてしまうケースもあります。


しかし
MDIさんの場合はすでに土地を購入しているのです
ですから、手付金を失うリスクはありません


MDIさんとの契約がまとまれば最初に申込金が発生しますが
(多くの企業でも同様です)

融資流れなどの理由で契約を解除する場合でも
申込金は全額返金となるそうです。





一般的には、建築会社は土地を購入するためには、資金が必要です。
万が一売れなければ、不良在庫になります。
できれば、避けたいものです。 

名古屋地区の実績を作るために、
・現在だけのやり方なのか
・将来的にも土地を購入していくのか
は、わかりません。 



何れにしても、会社のやる気が伝わってきます。



【今回の案件の収益性は、いまひとつ】



この会社としては、将来性を考えて
「駅から概ね5分以内の物件に限定する方針」 
ということです。


今回の案件は
立地が良いため、地価がちょっと高いです。
でも、相場よりかなり安く購入しています。



場所は地下鉄車道から徒歩5分以内、新栄からも5〜6分の立地です。


事業計画は概算値ですので、ざっくりと 書いていきます。

(1)土地購入費  15600万
(2)土地購入経費      680万(含:土地不動産取得税)
(3)建築費 18100万(外部工事含)
(4)建築諸経費     800万(含:期中利息、建物不動産取得税)
(5)建築消費税   1450万

総投資  36630万
うち建築分 20350万円


建物
規模 鉄骨造3F 1K24戸

家賃収入 1800万円 (家賃61000円x24、P12000x3として算出)
総収入 1915万円(上記プラス共益費4000円として算出)

単純利回り 4.9% (家賃収入/総投資額)
収益物件利回り 5.2% (総収入/総投資額)



ちなみに建物単体の利回りは

単純利回り 8.8%  (家賃収入/建築投資)


でした。


事業計画の精度については
費用の漏れもありませんし、土地の情報(権利情報やハザードマップ)もあって
よくできていると思いました。

長期計画(30年)については、書かれていませんでした。





【この収益物件の評価は】




土地の購入も含めた収益物件としての利回りは、
私の基準としては、厳しいです。
(私の基準 総投資利回り 6%以上が検討ライン)


土地の立地がよいので
将来的に土地の価値が落ちない前提であれば
納得できる物件とも言えませす。

つまり土地を所有するための手段という考え方です。



名古屋郊外の地主さんであれば
資金の組み替えをするために
郊外の土地を、今のうちに売却して自己資金とすれば
投資する価値はあります。

相続税対策にもなりますし、将来の子孫には、郊外の土地ではなく
名古屋市中心部の土地を残すことができます。



例えば、一宮市とか、西三河の地主さんが
300坪を30万円で売却すれば、9000万円になります。

今回の案件でも
9000万円の自己資金があれば
ローンは、27630万円

ローンに対する収入は
1800万円 / 27630万円=6.5%


多少利回りがアップしました。

この立地であれば、将来的な家賃の低下は少ないと予測できますので
6.5%であれば、30年ローン、修繕費などは賄えると思います。

ですが、まだまだ、ですね。

地元の300坪の土地と 引き換えであれば、
もう少し収益性があって毎月の収入も得たいところです。


相続税対策という効果を考えると、
この条件でも、OKという場合もあります。



土地の価格に対して
建物の価格が小さいので、どうしても、利回りが小さくなります。


都心部で容積率の高い土地の場合
できるだけ大きな建物を作る方が得策です。






【建築コスト力は?】



今回の事例では 
24戸の建設費(経費を含む)が、20350万円

1戸あたりでは、848万

建築費だけでは 709万


コストメリットは、まずまずありそうですね。


土地との組み合わせでは、いい案件が出るかもしれません。



1戸あたり850万であれば
建物単体では
家賃6万円で、利回りが8.47% (6x12 / 850)
立地によって、8〜9%の間ということになりそうです。



9%とすると
土地代と建築費が同じなら、利回りは半分の4.5%
土地代が建築費の半分なら、利回りは、6%

60坪の土地に、3戸x3Fの9戸を立てたとして
建築費が850x9=7650万円

土地代が坪あたり60万で、3600万

このあたりが採算ラインと思われます。


(1)駅近のいい立地の場合、なかなか坪60万の土地は見つからないこと
(2)住宅地では3Fの建物が建てにくいこと

このあたりをクリアしないといけないですね。

 
個人的に気になるのは、狭小地の4階建です。
2戸x4Fがローコストで立てられると、めちゃくちゃ使い勝手の良い会社になります。

 
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大東建託で管理してもらっているマンションの募集家賃を65000円から
58000円に値下するという依頼がありました。
詳しく話こちらの記事をお読みください。
http://namc.blog.jp/archives/21126963.html


それに対して、60000万円以上で募集して欲しいと要望していました。
そして、その結果が出ました。

ちなみに、この物件は
旧来の家賃保証付きの物件です。
現在の一括借上の物件ではありません。



【基準家賃よりも、高い価格で募集することは可能】




賃貸マンションは、審査した基準家賃58000円に対して
60000円で募集することになりました。


また、

もう一つのアパートは、 
52000円のところ、49000円の基準家賃となりましたが
50000円で募集することになりました。


ただし
3ヶ月間のチャレンジ予算ということで 
その期間中に入居がなければ、基準家賃になる

ということでした。


まあ、3ヶ月間入居がないのであれば
こちらとしても、納得がいきます。


本当は繁忙期の3月末までチャレンジして欲しいのが本音ですが
しょうがないでしょう。



高い設定家賃で長期間空室にするよりも、
相場家賃にして、空室期間を短くしたほうが
収入が増えるのも確かなことです。



とりあえず、多少の希望が持てました。
チャレンジ家賃の3ヶ月の間に、入居することを祈るばかりです。


ビジネス外国人006


このように、
一方的に値下げというわけではなく
多少の裁量はあったようです。


 
ただし
チャレンジ家賃の幅は、1000円〜2000円程度 
と、あまり大きくはないです。

審査家賃から、極端に乖離した金額はNGということです。



それでも、他所の裁量があってよかったです。





【大東建託側の提案する家賃に納得がいかない場合は、どうしたら良いのか】


 

ただ、文句を言うだけでは、いけません。

会社としてのルールとスタンスを説明するのみで、
相手にされないと思います。

会社の立場としては
「口うるさい人には家賃を変更する」
という態度は取れません。


やはり
近隣相場を自分なりに調査して、ちゃんと資料を揃え、もっともな理由を伝えながら
希望家賃を交渉する
という方法であれば、一定の効果はあると思います。


チャレンジして、入居する可能性があるような物件に限っては
基準家賃から、1000〜2000円程度の上乗せは可能のようです。
(これは、担当する大東建託パートナーズの判断もあると思います)







なお、これらの話は、旧来の家賃保証のケースです。

一括借上の場合は
10年間固定家賃制なので、空室のたびに家賃を見直すことはありません。


10年後の借上家賃の交渉については
後日記事を書くつもりです。





 
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先週、ユニホーさんの新築賃貸マンションを見学しました。


PA210527

雨だったので、あまり外観の写真はとれませんでした。



PA210512




【立地、建物概要】



(立地)
場所 名古屋市天白区原
交通 地下鉄原駅 徒歩8分

原駅の南側に位置しています。

北側から見ると、モダンで高層のマンションということで、結構目を引きます。

あ! 上の写真は南から撮影しています。


(概要)
敷地 170坪ほど
道路 西側、北側
構造 RC10階建 18戸
1Fはエントランス、ピロティー(駐車場)
2F〜10Fは、2LDK2戸
間取り 2LDK(61.8㎡ LDK15.6帖、洋室5帖、洋室6.1帖)
設備   オートロック

防犯カメラ確認しませんでした。
宅配ボックスなし
WIFIなし

(収入)
家賃 86000〜92000円 平均89000円
共益費 7000円
駐車場 18台 10800円
敷金 2ヶ月
礼金 1ヶ月


この物件は地主さんが建設されたと思われます。



 

【外観、内観】



(ピロティー)
PA210515

ピロティーから南東を撮影しています。
敷地南側、東側には、パーキングがあります。

南側とは高低差があるようです。 
1Fには住居は難しいという判断もあったのでしょうね。


PA210514

ピロティー内部の屋根付きの駐車場です。

この屋根付き駐車場も、屋根なしの駐車場も使用料は同じだそうです。
それなら、絶対に屋根付きのほうがいいですね。

雨も大変だし、夏は暑いし、雪は積もるし・・
私なら、屋内の方を2000円増しにします。


(エントランス)
PA210516


エントランスは、建物の北西にあります。
モダンなイメージです。
宅配ボックスはありませんでした。



(共用廊下)
PA210517

雨のため工期が遅れてしまい、樹脂シートがまだ、貼られていません。
これから貼る予定だそうです。


ちなみに、プラベートバルコニーには、樹脂シートは貼らないとのことです。




(室内内観)
PA210520

南側にLDKを配置しています。
窓は1800と、低めの設定です。

外に出ると、窓のすぐ上に梁がありました。
開口がそこまで撮れないようです。
個人的には2100欲しいですね。



PA210522

洋室はリビングとつなげることができます。


(住宅設備)
PA210521

キッチンは2100だったと思います。
ファミリーには人気の対面式です。

PA210523

バスは、単身用より広めの1416です。


 PA210524


洗面、まあ、想定通りです。



PA210518

4人家族だと、これくらい必要でしょうか。
かなり大きめですね。

傘立てやベビーカーも入れておくことができるので
玄関もスッキリします。



(共用設備)

PA210525

ゴミ置場、これから、ネットを張ることになります。
可燃、資源、不燃などの分別はしないのでしょうか?


PA210526

こちらは、自転車置場です。
フリーにおけるタイプです。



【この建物の収益性は】



(収入)
家賃  89000x18戸=1,602,000円  年間1,922.4万円
駐車場 10800x18台=194,400円  年間233.2万円
共益費 7000x18戸=126,000円  年間151.2万円 

年間収入 1922.4+233.2=2155.6万円


(建築費)
1戸あたり1400万x18戸=25,200万円


(利回り)
単純利回り
2155.6 / 25200 = 8.55(%)


(参考)
全額借入したとして
35年ローン1%の利息の返済額 年間853.6万円
30年ローン1%の利息の返済額  年間972.6万円


【この物件の感想】



《家賃設定が低め》

平均家賃が89000円というのは、かなり安い印象です。

郊外ということもあって、早期客付けを狙ったようです。
実際に、すでに、満室となっています。
 
(1)隣接も含めて塩釜口駅、上田駅、原駅、平針駅から徒歩15分以内、
(2)60m2以上の2LDK
(3)築年数10年以内
(4)マンション
の条件でスーモの検索すると33戸ヒットしました。

安い方から
78000円2戸
86000円1戸
90500円1戸
94500円1戸
99000、100000円数戸
でした。

もう少し上げても良かったのでは?



《建築費が安い》

1フロア2戸の高層の割には、建築費が安いと思います。

営業さんに
「3億超えましたね?」
と尋ねると、
「戸あたり1400万、施工坪あたり55万です」
とのことです。

この情報により
建築費は1戸あたり1400万円で計算をしています。

ベランダに樹脂シートなし、WIFIなしと、ローコストを目指した感じもします。



先日、生和コーポレーションの10Fマンションを見学しました。

生和は10Fで、1フロア30m2の1Kが4戸で、建築費が40000万円。
こちらは、1フロア60m2が2戸でほぼ同じ面積で25200万円。

(1)面積が同じでも戸数が少ないので、バストイレなどの住設がすくない
(2)生和は1Fにも3室あるが、ユニホーはピロティー

というハンディはありますが。それにしても安いと思います。


ちなみに
1Fに居室を作らずに、ピロティーにするとそのフロアのコストは7掛けになります。


もう一つの違いは、基礎工事です。

生和の物件は、地盤が悪く一般的な建物よりもコストが高くなったということでしたが
今回の建物は地盤がよく、当初予定よりもコストが落ちたということでした。



《 収益性は?》

初年度収入が 2155.6万円 
30年ローン(金利1%)の返済額が 年間972.6万円

返済率は
972.6 / 2155.6 = 45.1%

返済率が50%を割っていますから、
将来の家賃低下、空室率の低下に十分耐えられると思います。


《収益物件としては?》

この物件は地主さんが建てた思います。

もし、この土地を買って建物を建てたとしたらどうでしょうか?
坪あたり60万で計算してみると

土地代 60x170=10200万円  諸経費をいれて10800万円
建物 25200万円
収入 2155.6万円
利回り 2155.6 / (10800+25200) = 5.99(%)

収益物件としての利回りは
(2155.6+151.2) / (10800+25200) = 6.41(%)


十分に検討ラインに入りそうですね。


もし、このオーナーさんの気持ちが変わって、
この物件を売却するのであれば
利回り6.41%の収益物件として、十分に売れると思います。


もし売却した場合でも、
ローンを完済して、土地代も相場で売却できたことになります。




もし、この土地に、2F建てのアパートを建てた場合
収益(=家賃収入)は、少なくなります。

収益物件として売却すると、土地代の回収は難しくなりそうです。

このあたりは、後日記事を書くつもりです。




このように
一見すると、大きな建物を建てたほうがリスクが大きいように思えますが、

近い将来に事情によって売却する可能性があれば、
アパートのほうがリスクが大きいということになります

 
長期的に、よく考えて土地活用をしなくてはなりませんね。


今回の土地活用は、なかなか良かったと思います。


 
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大東建託では、一括借上という仕組みがあります。

私が所有する大東建託の物件は、
古いものは家賃保証(旧共済)
新しい物件は一括借上の契約
です。

この記事では、私が借上を選んだ理由と
そのあと知った、家賃募集や客付けの仕組みについて書いています。 




【一括借上を選んだ理由】




私の本業は経営コンサルタントなので
企業側のビジネスモデルを裏読みしてしまう習性がありますーーー
と、前置きしておきます。


《一括借上の費用と仕組み》

通常、アパートの管理を依頼すると
家賃の5%ほどが、管理費用となります。

一括借上(家賃保証)の契約にすると
保証費用が上乗せされ、10%程度の控除となります。

つまり
空室リスクを平準化して全体として5%としている
わけです。





《わたしの想像=勘違い》

大東建託の立場としては

自社が管理する物件の中に
(1)一括借上の物件
(2)一括借上でない物件
があるとしたら、当然、(1)を優先して入居させたいですよね?


だって
(1)(2)と同レベルの物件があった場合に

(1)に入居させれば、(1)に家賃をそのまま支払えば良い。

しかし

(2)に入居させれば、(2)に家賃を支払い、
さらに、(1)にも保証として家賃を支払わなければならない。


大東建託としては、
利益のためには、家賃保証のための支出を削減すべきです。

当然、一括借上をしている物件の入居を優先すると思いました。



一括借上の物件の空室率をできるだけ減らせば
大東建託の利益のためだけでなく
入居率が良いという実績をアピールすることもできるわけです。




そう考えると、
一括借上にしないと、入居を真剣にやってくれないのでは??

と、心配になりますよね??


それで
大東建託の一括借上の仕組みに乗っかることにしました。



【大東建託の客付けの実態は】




大東建託としては
一括借上の物件を優先して客付けすることはない
そうです。

つまり、単なる客付けの管理物件も平等ということです。


なんだ、そうだったのか!


これには、ちょっと驚きました。





もう一つ、驚きだったことがあります。


それは

・一括借上ではないただの管理物件でも「審査した家賃」で募集する

・オーナーが募集したい家賃では募集しない

ということです。



つまり
管理物件は、かならず審査した基準家賃で募集するということです。


一括借上であろうと、なかろうと家賃の決定は、大東建託側にある

ということなんですね。



家賃の保証をしないのであれば
オーナーが希望する家賃で、募集しても損はしないと思うのですが
管理物件全体の入居率を高く維持して実績とし、
新たにアパートを建築する人へアピールにするために
妥当な家賃に設定して、入居率を高めるべきという考えのようです。





確かに、エリア全体の相場家賃を調査するのであれば
素人のオーナーが行うよりは
大東建託が行ったほうが精度は高いと思います。



しかし
(1)新築プレミアム=新築時は相場よりも高い家賃でも入居したいという人はいる
(2)最上階プレミアム=高層の場合、低層よりもかなり価格が高くても入居する人はいる

など
細かな部分で審査の家賃に反映できないことがあるように思います。



セミプロ級の大家さんで、そのあたりまで
自分でコントロールしたいということであれば
大東建託はやめたほうがいいということになります。


では、大東建託で建てるのはNGなのか?
といえば、そうでもありません。


この辺りの記事は、また後日。




【最後にもう一度。一括借上の仕組みは賃貸住宅リスクの半分をなくすため】



アパートを建てた後のリスクはたくさんあります。

影響の大きいものからいいますと

(1)空室リスク
(2)家賃低下リスク
(3)借入金利上昇リスク
(4)修繕費リスク
(5)災害リスク


このなかで
(4)は、ある程度予測できますし
(5)は、保険で対応できます。


(3)については、できるだけ長期固定金利にすることで、先延ばしできます。
しかし、長期的に金利が上がるリスクは避けられません。


さて、一番大きなリスクは(1)と(2)です。
これが、収入低下の2大リスクです。



最初の5万円4戸=(年間240万円)の事例で

30%の空室期間があり(入居率70%)
家賃が4万円に低下すると(当初家賃に対して80%)

240x70%x80%=134.4

と、ここまで下がってしまいます。


当初の満室家賃の56%では
ローン返済も厳しい場合もあります。


家賃の低下は
新築物件との設備レベルの差や、建物そのものの劣化があれば
致し方ありません。

スムーズな入退去処理、修繕工事、適切な家賃により
空室率を減らすことは、ある程度可能になります。

一括借上では、
たくさんのデータをもとに家賃設定を相場家賃にすることで
空室率を5%以下に抑えるという仕組みです。


大東建託の場合は、
・100万戸と管理物件戸数が最大であること
・いい部屋ネットは、SUUMOと並び、情報サイトでも上位である
・賃貸住宅のリーディングカンパニーとして一括借上の仕組みを作ってきた
ことなどもあって、仕組みとしてはしっかりしています(と思いたい)。


この家賃審査の仕組みがしっかりできていない業者の場合は
適当な家賃値下げということにもなりかねません。



業者によっては
最初の3ヶ月の免責があれば、損はしないということで
一括借上の仕組みをアピールして、新しく管理物件を増やしているところもあります。

これらの会社は、管理戸数を増やして
管理費と客付けによる売上を伸ばすことが目的です。

保証の仕組みも、長期的ではなく、短期的なので、
破綻しそうになる可能性が高いと思われます。
家賃値下や管理費の値上げなどの要求があります。

このような業者には注意が必要です。








 
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大東建託からの家賃に値下げに対する記事についてコメントをいただきました。
記事はこちらです。
http://namc.blog.jp/archives/21453541.html

柴犬大家さんの事例では、

新規に募集する時点ではなく
2年ごとの契約更新のタイミングで家賃審査が入ったようです。


家賃や礼金、修繕費などの慣習は、地域で変わります。

(これが、民法改正で変わることになりそうです)

関東の方なのでは?と、思いますが、違うかもしれません。
 


名古屋では2年ごとに更新料をとるという習慣はありません。

更新のタイミングで家賃を見直すということもありません。

ですから、10年でも20年でも、入居し続ける人はずっと同じ家賃です。

ただ、一部の業者では更新料を契約時に明示しているところもあります。

収入が増えるわけで、羨ましいです。


柴犬大家さんと大東建託の契約が
一括借上(フルパッケージで15%が家賃から引かれている契約)として
返答してみます。


間違ってるかもしれませんので、参考までに。






【大東建託、家賃の値上げについて】



私のアパートでも

入退去のタイミングによっては、家賃が上昇したことはあります。

最近は、あまりありませんが・・・



しかし家賃値上げで退去される入居者も、いるのですね。

引っ越し代とか、かかるのに。

よほど、腹が立ったのでしょうか??


たしかに、これでは家賃収入が減って本末転倒のような気もします。

ただ、一括借上であれば、家賃は支払われるわけですから、

そのために空室があっても、オーナーとしては気にしなくても良いと思います。

ただ、妹さんの家賃が上がって、世帯全体としての支出は増えますね。


入居者同士で話をすることは少ないのでしょうが、

文句をいったら家賃が上がらなかったでは、正直者が損をしますから

そういうわけにもいきませんね。

家賃をあげると決定したら、貫ぬかなくてはマズイと思います。


名古屋では、更新時点で家賃の見直し(値上げ)は、ほとんどありません。

バブルなどが発生して、相場家賃がめちゃくちゃ高くなれば、行う可能性はありますが。





【大東建託、値上した家賃の折半について(1)】



値上げ分の半分は大家と折半とのことですが、

私の記憶では、「年間を通して」基準家賃を上回った場合に限ります。


具体例で説明します。


今回の値上げで「相場家賃(募集家賃・実際の家賃)」だけが上がり、

「基準家賃(大家との契約家賃)」は据え置きとします。(前提条件)


例えば、

5万円で4戸なら20x12ヶ月=240万が満室家賃ですね。

これが基準家賃です。


ここからは、少し大東建託の視点で考えてください。


これを1戸52000円にすれば、

1ヶ月2000円、年間24000円の収入増です。

4
戸では、96000円の家賃上昇となります。


ところが、1室退去があり、1ヶ月空室になったとすると

52000円の家賃が入りませんから、収入は52000円低下となります。


そうすると

96000円増えて、52000円減りましたから

トータルでは、44000円の増額となります。

この44000円の半分は大東建託がもらい

半分がオーナーに支払われます。

(もらえる半分の22000円からも、15%の経費が引かれると思います)



もし空室が2ヶ月分あれば、
収入増が96000円、空室により家賃の未収が104000円ですから
年間では、基準家賃には満たなくなります。
 

つまり、大家への折半はなくなります。
 

このように、年間トータルで家賃の増額というのは
なかなかハードルが高いものです。


大東側がいうところの折半というのは 

このシミュレーションのように
年間を通して基準家賃より収入が多くなった場合」には、

半分を支払うということです。



たとえば
4月が満室で、52000円が4戸で208000円だとします。
 

20万の基準家賃をこえたとしても

8000円の半分の4000円が支払われるわけではありません。
 

あくまでも、年間実績です。
 


もう一度、念を押しますが、

この計算は、「基準家賃が据え置きで」募集家賃のみアップした場合の話です。


基準家賃を超えた分は、折半するとはそういう意味です。





大東建託としては

入居の有無にかかわらず、一括借上なので、

空室の期間も基準家賃を大家さんに入金しなくてはなりません。

大東視点の収入は空室期間1ヶ月につき52000円ダウンしますが、

オーナーには、ちゃんと入金されます。
 

大家さんから見えば、空室でも一定の家賃が入ってくるので、リスクはありません。 




ーーーおまけ:一括借上と管理費についてーーー

通常家賃に対して、大東は15%を取り分としています。
(管理費+家賃保証+修繕保証として)


基準家賃の超過部分は、折半ということでまずは50%は大東の取り分です。

さらに、オーナー側に支払う50%から15%をとると思います。

なぜなら、家賃保証とは、「手取り家賃を保証するもの」だからです。
実質家賃の85%を保証するということなのです。


大東にしてみると、基準家賃までは収入の15%が取り分で、

基準家賃を超えた分は、(50%+50x15%)=57.5%が取り分となるわけです。

結構、取ります。

逆に、空室期間があれば

家賃収入がなくても、基準家賃の85%を支払わなくてはなりません。



百万戸のデータと近隣相場調査にもとづいて

大東が損をしない割合になっているはずです。


そして、損をしないためには、
高く設定できる物件ではできるだけ高い家賃収入をゲットした方が良いわけです。


このような仕組みに乗っかるというのが、
一括借上という仕組みです。


 



【大東建託、値上げした家賃の折半について(2)】


(1)では、基準家賃を据え置きにしたケースの話でした。



今度は、(2)基準家賃が値上げされた場合を考えてみましょう。


基準家賃そのものがアップしたのであれば

基準家賃に対して、借上家賃が支払われるということになります。

空室があっても、なくても

52000x4x12249.6万円の家賃が基準になります。

(実際の入金は15%控除されます)



大東さんの家賃は、「基準家賃」と「募集家賃」が異なる場合があるので

ちょっとややこしいです。

いや、かなりややこしいです。 



基準家賃=借上家賃が上がったのであれば、

折半という話にはなりません。
 

借上家賃を上げてもらえるということになります。


これは、一番ハッピーなことですね。

当初の計画以上の収益になります。



柴犬大家さんの営業が家賃の折半という話をしたということであれば
(1)のケースということになります。

 


【一括借上でなく(旧)家賃保証の場合、家賃の値上げは】



一括借上の場合は、年間等して基準家賃を上回れば折半ですが、
旧家賃保証の場合は異なります。
 


旧家賃保証では、家賃が上昇すればそのままストレートに家賃が振り込まれます。

ちなみに、旧家賃保証の場合は9.4%が差し引かれます。

(フルパッケージと違って、修繕費分がないのでその分安いです)


その代わり空室期間の最初の1ヶ月は家賃が出ません

2ヶ月目からは家賃保証が発生します。

この1ヶ月の金額が結構大きいので、一括借上のほうがベターです。



積水などは、一括借上でも、1ヶ月は免責(家賃を支払わない)契約になっています。

この点では大東の契約の方が優れています。




10年ごとの家賃の見直しについて】



この件に関しては、調査してまたブログにアップします。
すみません。

想像では
過去の入居状況や相場を勘案して
向こう5年間の基準家賃を決めることになると思います。 


管理する百万戸をいちいち、毎月家賃を査定していたら
めちゃくちゃ大変です。

大東では10年間固定で、その後5年間ごとに固定です。
それでも、相当な作業量が発生します。


他社では、空室が増えたら、個別に借上賃料を下げるようにするため
2年間で見直すようになっています。
(2年間と言っても、最初の3ヶ月は免責と言って、リスク分を先にプールしていたりします)


家賃相場の設定は、多くのデータで合理的に行う方が
個人のオーナーが個人で調査するよりも、
全体としては正確かつ実践的だと思います。
あくまでも「全体として」です。

セミプロのオーナーであれば、自分で勝負するというのもアリだと思います。




【理事、参事の家賃について】



これは「原則としては」差別はないと思います。

あくまでも、原則として、、、です。


大東建託はで100万戸を管理してます。

個別に対応したらそれはすごい作業量になるわけで

本社ルールが徹底されます。

仮に、営業個人や、支店ごとの裁量を大きくすると、いい加減な人が増えて

会社として管理できなくなります。



大東建託には賃貸のリーディングカンパニーとしての

自覚もありますので、適正な家賃相場を作るという自負もあるようです。



ただ、何事も、例外や忖度はあるものですから

表向きにはなくても、実際はある程度の裁量はあると思います。


支店にどの程度の裁量があるのか、わかりません。

これは、なかなか教えてもらえないですね・・



今回のチャレンジ予算についても

採用されるかどうか、、、様子を見ています。


【さいごに】



あまり、柴犬大家さんの質問にストレートに答えることはできませんでした。

このように
契約前も、契約後も、なかなか細かい仕組みがわからないのが賃貸住宅経営です。

後から
「そんなはずではなかった・・」
ということがあります。 

どの会社も、訴訟問題を抱えています。





しかし
相手側が一方的に家賃を変更するのは、ちょっと嫌な気もしますね。



次のブログでは
大東の基準家賃についてもう少し、踏み込んだ記事を書いてみます。
こちらもお楽しみに。


 


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