実録!土地活用(新築マンション投資)

土地活用・不動産投資について、初心者の方にも参考になるような分かりやすいブログを目指しています。 業者側の情報ではなく、土地所有者、投資者の視点でリスクについても、お話しします!

2016年08月

【土地活用の相談を受けています】


私はいろいろな土地活用の経験をしてきましたが、
やはり、経験を重ねるごとに知識が増えていきます。

大きな失敗は特にありませんが、
あとかから思えば、「もっと、こうすればよかった!」
と思うこともあります。


土地活用を初めて検討する人は、不安もありますし、
なかなか相談する人もいないということで、
私のHPを見つけて相談される方も見えます。

中には、強引な営業をする業者もあるわけですから、
そんな契約をして欲しくはありません。
土地オーナー側の立場で、アドバイスをしています。




【S様のご相談】

S様ご夫婦から、将来的に相続する土地の土地活用について相談されました。

その土地は地下鉄徒歩圏で、南向きの土地。
さまざな活用法が考えられますが、

「どれくらいのマンションが建築できるのか?収支はどうなのか?」

が、気になるご様子でした。


そこで、

建築業社にいくつか具体的なプランを作成してもらい
私が説明するということになりました。


そこで、都市部のマンション建設に強いS社、地元の中堅建設会社U社、
設計事務所のL社にプランを依頼しました。

S様はデザイナーズマンションなど外観にもこだわりがおありなので、
自由度の高い建築事務所も含めることにしました。



【土地の状況】

土地面積 約230坪
容積率 200%
交通 地下鉄◯◯駅 徒歩5分
向き 南向き
間口 約18m


【S社の提案】



1フロア  1Kを4戸(1Fのみ2戸)

10階建て 総戸数1K38戸

駐車場 18台

容積率 169%

延床面積 1305㎡(395坪)
施工面積 1484㎡(449坪)

総工費 44200万円

家賃設定 1K 64000円
共益費 6000円(インターネット無料含)
駐車場 14000円

年間収入 3494.4万円(共益費含)
       3220.8万円(共益費含まず)

投資利回り 7.9% (共益費含)
        7.63% (共益費含まず)


施工坪当たり総投資 94.0万円
1戸当たり総投資   1163万円

(基本方針)

間口18mの土地ですが、日照規制のため
建物間口12.8mにして10Fを可能にした。

この立地であれば、家賃64000円で借上可能のエリア。



【U社の提案】

1フロア 2LDK60㎡2戸、1LDK42㎡1戸 計3戸
6F 総戸数 18戸 (2LDK 12戸、1LDK6戸)

駐車場 17台

容積率 127%

延床面積 1042㎡(315坪)
施工面積 1345㎡(407坪)

総工費 23312万円

家賃設定 2LDK 96000円 1LDK 72000円
共益費 ---------
駐車場 10000円

年間収入 --------万円(共益費含)
       2104.8万円(共益費含まず)

投資利回り ------% (共益費含)
        9.03% (共益費含まず)


施工坪当たり投資 57.2万円
1戸当たり総投資   1295万円


(基本方針)

ファミリー向きの立地のため2LDK中心。
日照の規制により6Fが限界。
中層にすることで建築コストを抑えてコストパフォーマンスを高める。


【L社の提案】


1フロア 1LDK49㎡3戸
9F 総戸数 27戸 

駐車場 18台

容積率 174%

延床面積 1348㎡(418坪)
施工面積 1639㎡(496坪)

総工費 36290万円

家賃設定 1LDK 75000円
共益費 6000円
駐車場 12000円

年間収入 2883.6万円(共益費含)
       2643.3万円(共益費含まず)

投資利回り 7.95% (共益費含)
        7.28% (共益費含まず)


施工坪当たり投資 73.2万円
1戸当たり総投資   1344万円

(基本方針)

競争力のある広めの1LDKが妥当。
ランドマークになる高層マンション。
顧客を絞り満足感を与える競争力のある建物。







BlogPaint



【3社の提案を比較する】


(ターゲット) 

S社は単身用1K
U社はファミリー中心の2LDK
L社は、単身から夫婦狙いの1LDK

このようにターゲットはかなり違っています。


(家賃設定)

S社は1K(26㎡)で 64000円
U社は2LDK(60㎡) 96000円
    1LDK(42㎡) 72000円
L社は1LDK(49㎡) 75000円

家賃設定をみるとS社の1Kがやや割高のような気もしますね。
借上可能ということなので、新築しばらくはこの価格で借り上げ可能ということです。

ただ、管理料が5%から10%にあがり、当初の3か月は家賃なしとなりますので、
念入りなシミュレーションが必要です。
さらに2年以降は設定家賃の見直しになります。


(駐車場家賃)

S社 14000円
U社 10000円
L社 12000円


駐車場の設定もS社が高めの設定になっています。



(建築効率)

施工坪当たり総投資は

S社 94.0万円(10F)
U社 57.2万円(6F)
L社 73.2万円(9F)


1戸当たり総投資は

S社 1163万円(1K)
U社 1295万円(2LDK&1LDK)
L社 1344万円(1LDK)


施工坪当たりの総投資については、一般的に

木造<鉄骨造<RC壁工法低層<RCラーメン構造中層<RCラーメン構造高層

となります。


また、

3LDK<2LDK<1LDK<1K

となります。


ただの部屋よりも、キッチンやお風呂などの設備がある部屋のほうがお金がかかるからです。




【細かいところまでチェックが必要だが・・】

ざっくりと3社を比較しましたが、

・不動産取得税が計算されているのか?
・借入金利は妥当か?
・期中金利は計算されているか?
・火災保険は何年分なのか?
・基礎工事(杭工事)は、追金がかかりそうか?
・設定家賃が妥当か?

などなど、細かいところまで、チェックしなくてはなりません



【基本方針が一番大切です!】


しかし、

・単身用にするのか、ファミリーを狙うのか?

・リスクを減らして、リターンも減らすべきか?

・投資効率を重視するか、収入額を重視するか?

・ローン完済後の収入はいくらほしいのか?
(RCであれば30年以降のそこそこの家賃が見込めます)

・長期的視点はあるか?(相続の発生、近隣環境の変化)

などなど、大局を見誤らないことが大切です。



ついつい細かいことに気を取られて、全体の方針を見誤るということのないように、
注意が必要ですね。





【土地活用に不安を感じる方・・】

はじめての土地活用、不安も多いことだと思います。
経験者として、土地活用される方の相談も行っています。
無料ですので、お気軽にアクセスしてください。


相談を検討されている方は、こちらのサイトをご覧ください。

名古屋の土地活用情報発信サイト
http://namc.jimdo.com/






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【相続税対策としての不動産投資】


前回の記事で、不動産投資が相続税対策として効果があるというシミュレーションをしました。


前提条件は
(1)相続財産は、金融資産1億円、不動産3億円 合計4億円
(2)相続人は妻と子2人の合計3人
(3)購入する不動産物件は、諸費用2500万円(自己資金)、不動産価格4億3000万円(融資)

その場合、

(対策前)
一次相続で納める相続税 4610万円
二次相続で納める相続税 3340万円
合計 7950万円

だったものが、

(不動産購入後)
一次相続で納める相続税 585万円
二次相続で納める相続税 260万円
合計 845万円

となりました。


不動産投資をすることで、相続税が7105万円削減されたということになります。

これはあくまでも、相続税財産が4億円の人のケースです。


今回は、相続財産が1億円の人、2億円の人、3億円の人、さらに5億円以上の人の場合をシミュレーションします。



【不動投資で相続税の削減ができる理由】

今回の物件は、
物件価格 43000万円、諸費用2500万円
で、45500万円の投資になります。

資金支出または債務を負うことで、45500万円の資産が減少する一方で、
土地の評価額が、2700万円、建物の評価額が16000万円ですから、
実物資産が18700円増えます。

結果として、
45500-18700=26800万円
の資産圧縮になります。

つまり、不動産投資をすることで、相続税財産が26800万円も減るということです。
財産が減るから、相続税も減るというわけです。

しかし、26800万円減っても、その不動産投資が収益を生み出すのであれば、
実際の資産価値は、相続税評価額の18700万円以上あります



この「相続税上の評価は下がるけれど、実物資産としての価値は、下がらない」ということが不動産投資による相続税削減対策としてのうまみでもあるわけです

ただし、今回の物件は「投資のわりに収益性がやや少ない物件である」と個人的には評価しています。
もうすこし収益性のよい物件も探せばあると思います。



【相続財産1億円の人がこの物件を買った場合の相続税効果】



不動産投資は自己資金から2500万を出し、残りの43000万円を融資で行うものとします。
相続人は妻1人、子2人とします。
相続分割は相続財産の1/2を配偶者が相続し、配偶者の税額控除を最大限にいかすものとします。


(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 10000万円

(投資後)

資産 10000-2500=7500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 7500+18700-43000=-16800万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 315万円
二次相続で納める税金  80万円

合計395万円

(投資後)

相続税財産がマイナスなので、相続税ゼロ


(効果)

相続税が395万円減少する


(3)投資の節税効果の評価

1億円の相続財産の相続人であれば、395万円の相続税をなんとか納めることは可能だと思われます。
リスクを冒してこの投資による相続税対策するのは、不動産投資が好きな人でなければNGだと思います。




【相続財産2億円の人がこの物件を買った場合の相続税効果】


(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 20000万円

(投資後)

資産 20000-2500=17500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 17500+18700-43000=-6800万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 1350万円
二次相続で納める税金  770万円

合計2120万円

(投資後)

相続税財産がマイナスなので、相続税ゼロ


(効果)

相続税が2120万円減少する


(3)投資の節税効果の評価

2億円の相続財産の人にとって、2120万円の相続税を支払うことができるかどうか?

財産が土地のみという場合であれば、子供たちは自分たちで2000万円以上の貯金がなければなりません。
資産に内容によっては支払いが厳しいケースもあります。
(物納などの制度もありますが)

事前になんらかの対策が必要です。
・不動産を売却して相続税用資金にとする
・物納する資産を決めておく
・相続税節税の対策をする

などの方法がありますが、相続が発生してから慌ててするのは期間的に難しい面もあります。
事前の対策が必要となります。



なお、この投資物件の場合、中長期的には毎年の収支は赤字です。

20年以上保有して売却するか、
赤字期間中に自己資金で補てんし、債務返済が終わってからは、収益が出るという物件です。


金利がアップするリスク(今回は35年間1%でシミュレーション)



予定入居率の低下(今回は30年後の家賃収入は当初満室家賃の81.1%でシミュレーション)


などのリスクを十分にシミュレーションして納得したから投資しなくてはなりません。




(相続税削減効果の2次的な効果)

この物件は45500万円のお金を払って、一定の家賃収入が得られるわけですが、
相続税節税効果が8000万円の人は、ある意味8000万円引きで購入するようなものです。

家賃は一定にも関わらず、節税効果がある資産家は有利だということが分かりますね



【相続財産3億円の人がこの物件を買った場合の相続税効果】


(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 30000万円

(投資後)

資産 30000-2500=27500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 27500+18700-43000=3200万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 2860万円
二次相続で納める税金 1840万円

合計4700万円

(投資後)

相続税財産が3200万円として計算すると、基礎控除が3000+600x2~3=4200~4800万円ありますので、


一次相続で納める税金 0万円
二次相続で納める税金 0万円



(効果)

相続税が4700万円減少する


(3)投資の節税効果の評価

相続財産が1億円、2億円のケースと比べると、節税効果が大きくなってきます。
ただ、4億円の場合でシミュレーションしたように、この節税額は相続税対策後直後に相続が起こった場合の効果です。

相続の発生する時期によっては、効果が薄れまます。

また、収益物件そのものの収益性や債務利息の上昇などのリスクもあります。
相続人の不動産投資リテラシーもある程度必要となります。
不動産が苦手なお子さんが、不動産収益物件を相続するのは重荷かもしれません



【相続財産5億円以上の人の場合の相続税効果】

5億円

(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 50000万円

(投資後)

資産 50000-2500=47500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 47500+18700-43000=23200万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 6555万円
二次相続で納める税金 4920万円

合計11475万円

(投資後)

相続税財産が23200万円として計算すると
一次相続で納める税金 1750万円
二次相続で納める税金 1080万円

合計2830万円

(効果)

相続税が
11475-2830=8645万円減少する


6億円

(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 60000万円

(投資後)

資産 60000-2500=57500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 57500+18700-43000=33200万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 8680万円
二次相続で納める税金 6920万円

合計15600万円

(投資後)

相続税財産が33200万円として計算すると
一次相続で納める税金 3420万円
二次相続で納める税金 2320万円

合計5740万円

(効果)

相続税が
15600-5740=9860万円減少する



10億円

(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 100000万円

(投資後)

資産 100000-2500=97500万円
収益物件 18700万円
債務 43000万円

合計 97500+18700-43000=73200万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 17180万円
二次相続で納める税金 15210万円

合計32390万円

(投資後)

相続税財産が73200万円として計算すると
一次相続で納める税金 11590万円
二次相続で納める税金 9560万円

合計21150万円

(効果)

相続税が
32390-21150=11540万円減少する


相続財産が10億円の人は、
総額45500万円の不動産投資で、1億円以上の節税になることが分かりました。

ある意味、1億円の見えない負債が減ることを考えると、
今回の物件のように、収益率低めの物件でも、購入を検討する人も出てくるわけですね。



(参考シミュレーション)

さらに、この人がこの物件を2棟購入したら、さらに節税効果があります。

(1)投資前後の相続財産の変化

(投資前)

資産 100000万円

(投資後)

資産 100000-2500-2500=95000万円
収益物件 18700X2=37400万円
債務 43000x2=86000万円

合計 95000+37400-86000=46400万円

(2)投資前後の相続税額の概算

(投資前)
一次相続で納める税金 17180万円
二次相続で納める税金 15210万円

合計32390万円

(投資後)

相続税財産が46400万円として計算すると
一次相続で納める税金 5790万円
二次相続で納める税金 4300万円

合計10090万円

(効果)

相続税が
32390-10090=20760万減少する




このようにして資産家がどんどん「ビル長者」になっていくというわけですね。




【相続財産の額と、この物件を買った場合の相続税効果の関係】


今回の投資物件(投資総額45500万円 相続税評価額18700万円相当)の相続税の削減効果は、相続財産によって次のように変化することが分かりました。



相続税の削減額は

相続財産1億円の場合 395万円 (395→0)

相続財産2億円の場合 2120万円 (2120→0)

相続財産3億円の場合 4700万円 (4700→0)

相続財産4億円の場合 7105万円 (7950→845)

相続財産5億円の場合 8645万円 (11475→2830)

相続財産6億円の場合 9860万円 (15600→5740)

相続財産10億円の場合 11540万円 (32390→21150)


相続財産が10億の場合、1次相続2次相続で1億1540万円の削減をしても、なお、2億円以上の相続税を納める必要があります。

相続税用資金の準備が必要となります。

節税額というよりも、具体的な納税額を把握したうえで、多面的に相続税対策を検討する必要があります。

(更地であれば評価額で物納が可能です。売れる立地であれば実勢価格で売却して納めるほうがよいでしょう。収益物件は物納できませんが、売却しやすいケースもあります。ただ、相続発生から10か月という短い期間に相続人で意思決定しなくていいけませんの難しい場合もあります)


【まとめ】

不動産投資を行えば、
相続財産の多い人ほど、相続税削減効果があります。

相続税削減効果があれば、収益性の低い収益物件でも相続税額とトータルで収支を考えれば、投資の余地が出てきます。

ただし、実際に相続発生の時期は予想できないので、さまざまなケースをシミュレーションする必要があります。



BlogPaint

追記

不動産の相続税評価は、土地の利用状況や形状などによって評価額が変わります。
今回は概算額にて計算しています。





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【相続税対策としての不動産投資】


前回の記事で、不動産投資が相続税対策として効果があるというシミュレーションをしました。


前提条件は
(1)相続財産は、金融資産1億円、不動産3億円 合計4億円
(2)相続人は妻と子2人の合計3人
(3)購入する不動産物件は、諸費用2500万円(自己資金)、不動産価格4億3000万円(融資)

その場合、

(対策前)
一次相続で納める相続税 4610万円
二次相続で納める相続税 3340万円
合計 7950万円

だったものが、

(不動産購入後)
一次相続で納める相続税 585万円
二次相続で納める相続税 260万円
合計 845万円

となります。


不動産投資をすることで、相続税が7105万円削減されたということになりました。

ただ、この計算は、不動産を購入直後のもっとも効果の高い場合の話です。



不動産対策をしたとしても、相続はいつ起こるかわかりません。

35年後であれば、ローンは返済していますから・・・

今回の案件は、収支がさほど良くないのですが、
収益性の高い物件であれば、債務は減少して、現金が増えていきます。



そこで、今回は、
この不動産投資の10年後、20年後の相続税をシミュレーションしてみます。





【神戸一棟売りマンションを購入して10年後の相続税】

この物件の長期収支を、こちらの記事でシミュレーションしています。数値はこの記事から引用します。
http://namc.blog.jp/archives/4617104.html


10年後の債務残高は、32800万円
10年間の収支は、-3200万円(初期費用2500万円含む)

また、前回の記事同様に、
この案件の土地の評価額は2700万円
建物は16000万円とします。

建物は経年による減少もあるのですが、ないものとして計算します。




10年後に相続が起こった場合の相続財産は、

金融資産
10000-3200=6800万円

不動産
30000+2700+16000=48700万円

債務
32800万円


合計で
6800+48700-32800=22700万円
となります。


当初の相続財産4億円から、17300万円少なくなっています。

相続税の概算額を調べてみます。
今回もこちらのサイトでシミュレーションします。
http://www.smtb.jp/personal/entrustment/simulation/

すると1次相続で納める税金は、1688万円



2次相続は、
ちょうど半分の財産を妻が相続したとして計算します。

金融資産
3400万円

不動産
24350万円

債務
16400万円

(注)実際にこのように半分にするのは、共有にしない限り難しいです。


この場合の2次相続で納める税金の額は、1030万円


相続税トータルでは
1688+1030=1718万円
納める必要があります。



相続税対策前の相続税額 : 7950万円
相続税対策直後の相続税額 : 845万円
相続税対策10年後の相続税額 : 1718万円

ということが分かりました。





【20年後の相続税額はどうなるのか?】


20年後の債務残高は、21000万円
20年間の収支は、-4600万円(初期費用2500万円含む)

土地の評価額は2700万円
建物は16000万円


この時点で相続が起こったとすると

金融資産
10000-4600=5400万円

不動産
30000+2700+16000=48700万円

債務
21000万円

相続財産は
5400+48700-21000=33100万円
となります。


この時点で相続が発生した場合の相続税額は

1次相続で 3403万円
2次相続で 2305万円

合計で3403+2305=5708万円です。

(この結果は、あまり良いものではありません。
 詳しくは次の項をご覧ください)



相続税対策前の相続税額 : 7950万円
相続税対策直後の相続税額 : 845万円 (-7105万円)
相続税対策10年後の相続税額 : 1718万円 (-6232万円)
相続税対策20年後の相続税額 : 5708万円 (-2242万円)



このように、相続税対策としては、
相続の時期によって、効果が変わるという点に大きな問題があることが分かります。

長期的な効果を得るためには、
15年後にもう1棟の収益物件を購入する必要があるということです。






【今回のシミュレーションをしてみた感想】



20年後の相続税額は、当初の7950万円から2000万円まで減額となりましたが、
これはいまいちです。

というのは、

相続税は5700万円ですが
相続財産のうち、金融財産は5400万円になっていて、
子供たちは300万円の現金流出となります。

しかも、収益物件は単年度の収支は赤字なので、
さらに流出します。


相続してから35年ローンが終わる残り15年の間に、4000万円ほどの資金流出となるのです!


こんな儲からないマンションを残して!と、きっと子供たちは思うでしょう。

もちろんローンが終われば毎年1000万の収益がありますので、4000万なら、その後4年で回収できます。
(エレベーターや外壁の大型修繕があれば、収支は微妙ですが・・)


また利回り8%程度で売却すれば、債務を返済してもある程度の現金が残るはずです。

このように高度な経営判断が必要となってきます。
子供たちの資質も問われるということになります


やはり、相続以降の単年黒字が理想といえます。



相続税に詳しい税理士さんでも、不動産経営に詳しくないというケースがあります。

相続税対策として、税理士さんに収益物件を勧められた場合、
かならず、ご自身で将来収支をシミュレーションするべきです。





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【神戸市のワンルームマンション1棟売り】


前回までの記事で、
収益性とコスト、長期間保有の収支、売却戦略についてシミュレーションをしました。

収益性は低く、売値はコスト面からすると割高という印象です。
しかし、25年以上保有すれば、売却したときにそれなりの利益となるようです。
(ただ、売却までに資金が流出するので、それに耐えられたの場合です)

あくまでも、個人の感想です。



全体のシミュレーションの内容は

(1)収益性
(2)適正価格かどうか(価格の合理性)
(3)将来性と退却戦略
(4)相続対策としての効果

ですが、今回は、最後の相続税対策としての効果をシミュレーションします。



参考過去の記事

「物件概要と単年度収支シミュレーション」
http://namc.blog.jp/archives/4436186.html

「物件の販売価格の整合性をチェックする」
http://namc.blog.jp/archives/4509776.html

「物件の将来性を精査する」
http://namc.blog.jp/archives/4537336.html

「長期収支と退却戦略」
http://namc.blog.jp/archives/4617104.html




(相続税対策の前提条件)

相続税は、相続資産と相続人の人数によって大きく変わります。

さて、今回の物件は4億3200万円の新築マンション投資ですので、
それなりに資産のある方が購入するという前提で考えます。

不動産(土地)の評価は、実際はむつかしいのですが、
概算では、
固定資産評価額か、固定資産評価額の8/7で計算します。

今回は固定資産税評価額で計算してみます。


なお、建物は固定資産評価額が相続財産の額となります。




(設定相続財産と相続人)


相続財産は、土地建物3億円、金融資産1億円の合計4億円。

相続人は、妻と子2人とします。


この場合の相続税を計算してみましょう。
サイトを使って概算することができます。


今回は三井住友信託銀行のHPを利用します。
http://www.smtb.jp/personal/entrustment/simulation/



順に入力するだけです。

子供-2人
配偶者-あり

資産は
不動産10000万円、金融資産30000万円

入力すると、

造族財産は40000万円
基礎控除が4800万円

課税遺産総額は35200万円

となります。



法定相続の場合で相続税額を計算しますので

妻 17600万円=相続税 5340万円
子A 8800万円=相続税 1940万円
子B 8800万円=相続税 1940万円

合計 相続税額 9220万円 (相続税額の計算値)

となります。

実際に分割する相続財産は、
上記のように妻1/2、子1/4とぴったりしなくても大丈夫です。

実際の相続税の額は、相続人が相続した額に応じて納めます。


計算方法は次の通りです。

「相続財産総額40000万円につき、9220万円の相続税という割合」を基に、
相続人ごとの税額を計算します。

9220÷40000=0.2305ですから、

1000万円相続する人であれば、
1000万円×0.2305=230.5万円の相続税を収めることになります。


(事例1)

子Aが3億円の土地を相続して、妻と子Bが金融資産を5000万ずつ相続した場合、

子Aは、
3億×0.2305=6915万円の相続税となります。

妻と子Bは、
5000万円×0.2305=1152.5万円の相続税になります。


ちなみに、妻が相続した財産が、相続財産の1/2までであれば、相続税は免除されます。
つまり、1152.5万円は納めなくても大丈夫です(申告は必要です)。

子Bは金融財産を5000万円を相続して、1152.5円を納税します。

一方、子Aは、土地をもらって、
自分の財産から6915万円を捻出しなくてはなりません。

いきなり何千万円も納めろと言われても、そこまで貯金のある人は少ないです。
このように、相続税は事前によく計画しておかないと、大変なことになります。

あ、話が、それましたね^^;

もどします。



(相続税額は4610万円)


配偶者控除を最大限に活用すれば、
資産40000万円を妻1子2人で相続した場合に必要な相続税は、

妻の相続 20000万円×0.2305=4610万円→控除で0
子2人の相続分 20000万円×0.2305=4610万円

で、4610万円になります。

子供の相続金額の割合にはかかわらず、4610万円になります。

相続税として、
4610万円が必要となることが分かりました



4億円の相続財産で4610万円なら12%以下、まあ、少ないような、多いような、、
皆さんはどんな印象でしょうか?


このように夫婦どちらか片方がなくなった時の相続を1次相続と呼びます。



(2次相続)


次に2次相続を計算します。

妻個人のもともとの財産がなかったとして、
妻の財産は、相続によって得た財産だけだとします。

(実際は親からもらった土地とか、個人の預金などが加わる場合もあります)



先ほどの相続税シミュレーションサイトに、

配偶者なし、子2人、財産20000万円(金融資産5000万円、不動産15000万円)

と入力します。


相続財産 20000万円
基礎控除 4200万円
課税財産総額 15800万円

相続税額 3340万円

2次相続では3340万円がかかります。



1次2次を合わせると、

4610+3340=7950万円

の相続税を納めなくてはなりません。



金融資産が1億円あったのですが、
子供の代になると、2000万に減ってしまうのですね。

一人当たり1000万円となるということです。

ただ、
不動産3億円は相続して引き継いでいます。

さらに次の代にこの不動産を相続させるには、相続税を払うために必要な、
ある程度の金融資産を作る必要があります。

不動産を一人の子が相続したのであれば、
また、この世代でも1億円弱をためないといけないということですね。




(相続税という隠れた負債)


このシミュレーションのように、

財産が4億円と思っていても、相続税という見えない負債が7950万円もあるので、
実際の資産は3億2000万円ということです。

相続財産に現金があるので、相続財産から相続税を支払うことができるので、
税金を納めやすいケースです。

原則的には、相続税は現金で納めなくてはなりません。
土地などで相続税を納める物納という制度もあります。




(相続税に有効と言われている不動産投資後のシミュレーション)



では、このケースの場合、
夫が、神戸の1棟売り新築マンションを購入したとします。
販売価格は、4億3000万円、諸経費は2500万円とします。



(財産の減少)

負債は4億3000万円です。
諸経費2500万円の支出があります。



(財産の増加)

財産はいくら増えるのでしょうか?


土地は固定資産評価額として、
2700万円

(実際の相続税評価額は路線価なので、もう少し高くなりますが、
 他人が住んでいる土地なので評価減があります。今回は固定資産税評価額で計算します)

建物は、固定資産税評価額なので、
16000万円となります。



不動産は、
2700万+16000万=18700万円増加します。




(相続財産の変化)

したがって、
不動産投資後の財産は、

金融資産
10000-2500=7500万円

不動産
30000+18700=48700万円

負債
43000万円


合計
7500+48700-43000=13200万円
となります。




収物件を購入することで、

相続財産は

当初の40000万円が13200万円になる!

ということです。




(不動産投資後の相続税シミュレーション)


相続税シミュレーションサイトに、入力して、相続税を計算してみます。



1次相続

配偶者が財産の1/2を相続した場合、
585万円


2次相続
260万円


合計
585+260=845万円!


(不動産投資の相続税上の効果)


今回は土地3億円、金融資産1億円、配偶者あり子供2人の場合でシミュレーションしました。

相続税は、
当初7900万だったものが、845万円に減少、
つまり、7000万円の相続税上の効果があったということです。


親の財産が土地だけで4億円だという場合、
子供は自分でお金を8000万円近く用意しないと、そのまま相続することはできません。
その場合は、今回のような相続税対策として、不動産投資も検討する価値はあります。

しかし、不動産投資はリスクもありますので、慎重に進めなくてはいけません。





(相続税が減る◎、負債を引き継ぐ▲ ということ)


ただ、相続税が減ったからといいって、喜んでいるだけではいけません。

4億3000万円の負債を抱えたという事実です。


前回までの記事で、
神戸のマンションの収支をシミュレーションした通り、
毎年の収支は、赤字です。



将来、赤字にならないようにするためには、

(1)自己資金を入れて借入を少なくする
(2)収益性の高い物件を購入する

などの方策が効果的です。


相続税の知識だけの損得で、
不動産投資をするのは、リスクが高いと思います。


収益性をしっかり検討することが大切です。



(まとめ)


新築マンション投資は、相続税対策として効果がある。

しかし、注意事項もあります。

(1)年数がたてば、債務が減っていく
(2)収益性のないマンションであれば、相続後に資金が流出する(不良債務)
(3)不動産売却などの高度な経営判断が必要となってくる(信頼できる専門家に相談する)



一定の効果があるのは、確かですが、
初心者の方であれば、信頼できる専門家に相談する必要があると思います。

この場合の専門家は、相続税の専門家ではなく、賃貸用不動産の専門家です。
相続税は相続税でむつかしいのですが、相続税に詳しい人で不動産に詳しい人はあまりいないはずです。





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追記(1)

今回は相続財産4億円の方のシミュレーションでした。
またの機会に、1億円とか10億円の人の場合も計算してみます。

また、購入10年後、20年後に相続が発生した場合も計算してみます。



追記(2)
相続税シミュレーションサイトですが、
今回の記事のサイトは、相続税総額を調べるのには良いのですが、
法定相続とは違う割合で相続する場合の入力する部分が使いづらいです。
今回の記事を参考にして、相続税割合を基に、手計算してください。

追記(3)
この物件を購入した場合のさらに10年後、20年後の相続税はこちらの記事でシミュレーションしています。
http://namc.blog.jp/archives/5731148.html





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【着工地金の融資を受けました】


7月27日(水)14時にE銀行さんとアポイント。

具体的な内容は、着工時金の融資です。



(まずは、融資)

銀行側には、建設会社のユニホーさんから、
着工時金の請求書の写しがファックスで届いています。
予定通り、金額は8200万円です。

融資額は8200万円にすると、
印紙代2万円と6ヶ月分の金利分が引かれて入金されます。

金融機関に、当初2000万円の入金をしていますので、
不足分はそこから建設会社に振り込むことにしました。

ちなみに、
残高がない場合は、印紙代、金利分を含めた額を融資してもらう必要があります。


今回の融資実行日は、7月29日(金)で、6ヶ月先の償還日です。
手形の発行に備えて、銀行印を用意していましたが、
手形の発行の印鑑は実印を使っていました。
すっかり、忘れていますね。



(次に、振り込み用紙)

支払い手数料は、建設会社持ちで、8200万円から872円差し引いた額の
振り込み依頼用紙に記載しました。
こちらは、銀行印です。




以上、2枚の書類を書いて、ものの10分で終了です。



サラリーマンで新築不動産投資をするのであれば、
お昼休みにアポイントの取れる近くの金融機関なら、
手続きもスムーズですね。

そうではない場合は、営業員が外回りということで、対応してくれると思います。











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